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漉き加工場の現状に関するプチ情報

毎度ご利用いただき誠にありがとうございます。

伊藤登商店の伊藤でございます。

今日は我々皮革を扱う業者には欠かすことの出来ない「漉き加工場の現状」についてお話しします。


30センチ幅などの革を漉き加工所はまだ多く存在していますが、
半裁サイズの革を漉くことの出来る加工所は私が知る限り東京では5社
しかなく(関西地区では2社と聞いていますが、もう少しあると思います‥‥)
怖い話をすれば、この
の中でもあと5年10年続ける可能性がある加工所は半分あるかないかだと思います。
もちろん消費税増税の影響や新型コロナウイルスの影響で仕事が激減しているということはあると思いますが、
それ以前に職人の後継者不足が大きな問題になっています。

この漉き加工所を減らさないように、伊藤登商店でも色々お手伝いさせてもらっていますが、機械操作やメンテナンスに関しての取扱説明書はなく、
漉き加工の作業同様「やって覚える」しかなく一人の職人さんを育てるのに非常に時間が掛かります。
私が良く話す70代の職人さんも「まだまだ半人前で理想の漉き加工をできたことないなぁ」という言い方をします。
デジタルで厚みを調整できる機械を海外で見たことはありますが、話を聞くと
様々な種類の革(大きさや厚み、硬さ、 柔らかさ)が出来るようになるのは時間が掛かるそうです。
1台で目が飛び出るような金額でしたが、この機械の方がより早く新しい職人さんを育てることが出来るのではないかと思います。

もちろん既存の漉き加工場で新しい職人さんが育ち、存続していくのが一番ですが、そうは言っていられなくなる可能性が高くなってきており、
革屋さん全体で考えなくてはいけなくなる日もそう遠くはないと思います。

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コメント: 1
  • #1

    クロサワ (金曜日, 25 9月 2020 18:15)

    最近よく聞く「クラウドファンディング」
    革を作る側、売る側、買う側みんなで目が飛び出る金額を集められないでしょうか?